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SHELBEE… EYE File.4 『grafflex』

Source:STREET MAG

❤︎SHELBEE EYE❤︎

File.4
アートディレクター:grafflex

独自のセンスで新たなトレンドを創出し、韓国のアートシーンを牽引するアーティスト、grafflex氏。SHELBEE…読者の皆様には、あのYGのシンボルキャラクターKRUNK(クランク)のデザイナーというとピンと来る人も多いのでは?

グラフィックデザイナー、イラストレーター、アートディレクターとして多様な活動を行っているgrafflex氏は、ストリートカルチャーをベースにデザイン、イラスト、アートトイなどジャンルの垣根を飛び越えた作品を創出し続けています。

そんな韓国のアートシーンの精鋭に、自身のバックグラウンドやアートシーン、KRUNKの誕生秘話などを伺いました。

Source:STREET MAG

◾️ “好き”が生み出すパワー

この仕事を始めたきっかけを教えていただけますか?

もともと漫画家になりたくて始めました。その後ゲームの仕事に携わり、日本でも有名な『ラグナロクオンライン』の3Dグラフィックデザイナーとして参加しました。

会社での仕事というのは自分が描きたいものをそのまま描けるものではないですよね。それで自分の好きなものを描けるような仕事をしたいと思い、今の仕事に至りました。

元々アートトイやスニーカーが大好きなのでそれらの仕事に携わることが多いです。

 

韓国でデザイナーになるにはそういった専門学校のようなところに通うんですか?

そういった人が多いですね。ただ、私の場合は学校で専攻した等ではなく、好きなことをやりながらそれが仕事になったという感じです。

3Dデザインをやるには3DグラフィックとPhotoshop等の基本はできないといけないので、その基本は勉強をしました。仕事としては3Dから始まったのですが、今は自分が描きたいものを描くようになりました。そうすると、昔からグラフィティー(*1)が好きでスプレーでよく絵を描いていたのですが、今はスプレーでもよく作業をするんです。昔からスプレーを使って壁によく絵を描いていたのが、今の仕事にも活きています。

*1:スプレーやフェルトペンなどを使い、壁などに描かれた落書きのこと

 

グラフィティーがお好きだったんですね。どういったものを描いていたんですか?

19~20歳くらいの時に特によくやっていました。少し反抗的な時期ですよね。なのでメッセージ性のある文字などをよく描いていました。

アンドレ・サレヴァ(*2)というフランスのグラフィティアーティストがいるのですが、彼は有名になる以前からの友達で。壁に絵を描くという行為について、どの国も規制というのがあると思いますが、彼はそれをアートとしてファッションとも結びつけて、いたずらじゃなくてアートだという認識に、たくさん変えた人です。

*2:フランスのグラフィティ アーティストで、幼少期からパリで過ごし、1985年からグラフィティアートを開始。90年代後半には「ミスターA」という、目が×と○で、長い手足に大きな笑顔を浮かべるキャラクターをパリの街中に描き有名になった。また、ファッション界でも幅広いネットワークをもち、マーク・ジェイコブスやステファノ・ピラーティとも親交が深いことでも知られる。

 

9月23-30日に「POW! WOW!(*3)」というストリートアートイベントが韓国であったんですが、そこに彼も一緒に参加をしました。

*3:ハワイ在住の創立者ジャスパー・ウォン、カメア・ハーダー、ティファニー・タナカの三人により2011年からスタートしたHonolulu・KAKA‘AKO(カカアコ)エリア(倉庫街)で行われているストリートアートのイベント。世界中から集められた著名アーティストが巨大壁画を1週間かけて制作する。ハワイ・台湾・テキサス・ロングビーチ・日本など各地で開催されており、2017年10月に韓国で開催。ストリートアートの分野では世界で最も勢いのあるアートフェスティバルのひとつ。

私はグラフィティを通じて2Dのアートをたくさん描いて来ました。その次の段階としてはロゴデザインみたいなのをやるようになったんですが、前者はアーティスト、後者はデザイナー、としてそれぞれ切り替えて作業することが多いです。

 

アーティストとしての仕事と、デザイナーとしての仕事、どちらの仕事が良いとかはありますか?

今はアーティストとしての仕事を多くやっています。昔は3Dグラフィックデザイナーをやりましたが、3Dを勉強したので、立体でもデザインをできるようになりました。それで今はアートトイデザインなんかもやりますし、キャラクターデザインの場合にも立体的にデザインできるようになり、それによって今はオリジナルなアイデンティティを持ったキャラクターを作ってそれをアート的に解いていこうと準備しているところです。

 

◾️ キャラクターやデザインから伝わるバックグラウンド

一番最初に作ったキャラクターは何でしたか?

初めて作ったトイはNBAシリーズです。そのあとはAmoeba Cultureというレコードレーベルで、アーティストのキャラクタートイをデザインしていました。

元々そこにはアートディレクターとして入社し、4年間デザイン周りの担当をしてきたのですが、去年会社を出て、アーティストとして自分の好きなことをやっていくことにしました。

NBA COLLECTOR SERIES 1. COOLRAIN STUDIO X MINDSTYLE X NBA. 2013.

NBA COLLECTOR SERIES 2. COOLRAIN STUDIO X MINDSTYLE X NBA. 2013.

 

キャラクターを立体にするのに難しさはありますか?

自分で作るキャラクターなのと、先ほどもあったように3Dでデザインができたので、そんなに難しいことはないんですが、例えばこのキャラクター(「BOLD」というキャラクター)の場合は前から見るとこう見えているけど、違う面から見たらどうなっているかを想像しながら作らないといけないのが難しいですね。

GRAFFLEX 5th Solo Show Bold Factory

 

このキャラクターの「BOLD」という名前はどういった由来なんですか?

フォントの「BOLD」、太い線のイメージで作ったんですが、他にも顔と手足だけがあって(動作が)”大胆”という意味も込められてます。私がアーティストとして独立して初めて作ったキャラクターなので、現実に妥協せず、アーティストとして勇敢にやっていこうという意志のようなものも込められてます。

 

BOLDはロッテ百貨店やナイキなど、様々なコラボレーションをされていますね。代表的なコラボレーションは何ですか?

本当にたくさんのコラボレーション事例があります。Nescafe、Nike、ペリエ、それからダンキンドーナツの店舗ともコラボしました。

GRAFFLEX WITH PERRIE

Dunkin’ Donut 弘大店舗コラボ

 

その他アーティストとしてのお仕事を教えてください。

私はスニーカーも大好きなんですが、最近ジョーダンの弘大(ホンデ)店舗ができたんですよ。そこでTシャツのデザインをしました。ハングルで弘大(ホンデ)って書いてあるんです。

あとはUltra Koreaでグッズも作りました。

ジョーダン 弘大(ホンデ)店舗

ハングルで「弘大(ホンデ)」と描かれている

 

ULTRA KOREA X GRAFFLEX

 

grafflexさんが影響を受けたアーティストはいらっしゃいますか?

周りにもたくさんアーティストはいるのですが、大好きな漫画家さんがいて、鳥山明さんとキースへリングさんで、それもあって日本とアメリカの漫画にたくさん影響を受けました。

 

日本からも影響を受けられたとは。

日本がすごくいいなと思っていたのが、日本ってそれぞれの趣味嗜好があるじゃないですか。いろんな”好き”が溢れていて。韓国だとそれぞれの個性がちょっと日本よりは下がるなというイメージです。韓国も変わってきましたけども、まだまだですね。”これがいい”と多数が言えば、みんながそれをいいという感じです。

 

グラフィティって音楽とも結びつきが強いと思うのですが、grafflexさん自身も音楽に関するバックグラウンドはありますか?

昔はブラックミュージックなんかがあまり入ってこなかったのですが、小学校6年生の時に初めて『Boyz Ⅱ Men』の音楽を聴いて、その時からブラックミュージックやソウルミュージックを聴くようになりました。そこからHIP HOPというジャンルを知り、中学時代は当時のお小遣いではとても高い金額でしたが、友達と集まってレコードを買って聴いていました。

 

やはり音楽から影響を受けられた部分もあるんですね。

そうですね。HIP HOPという音楽を好きで、そこからグラフィティというものに夢中になるようになり、さらにそこからAmoeba Cultureというエンターテインメント会社に入ることになったんです。

 

◾️ KRUNKの誕生!

KRUNKのデザインをされたのもそういったところからですか?

KRUNKというキャラクターデザインですが、実際YG社からはいろんな人にこの仕事をコンタクトしたようなのですが、このキャラクターもHIP HOPミュージックをベースにしたキャラクターですよね。それで私の作品等を見て、一番HIP HOP関係のキャラクターに対する理解度があると思われたみたいです。

KRUNK X BIGBANG ART TOY COLLECTION.

 

元々どういったオファーがあったんですか?例えばこんな動物にして欲しいとか・・・

全体的なコンセプト、例えばHIP HOPがとても好きでSwagなキャラにして欲しいといった内容は頂き、それを私の方で具現化した、という感じです。

実はKRUNKのキャラクターデザインはトイを作る会社で基本ビジュアルは初めに作ってあったんです。ですが、何だかちょっと違和感があって。自分のお父さんがHIP HOPの服を着ている、みたいなイメージで。
それで私がデザインする際に、実は自分に似たような感じを混ぜてデザインしたんですよ。HIP HOPが好きで、ビールが好きで、食べるのが好きで、ハンバーガーが好きで、あと女性も好き(笑)

 

KRUNKは男の子なんですね(笑)

はい、男の子ですね(笑)実際そうした方が面白いキャラクターができあがりますよね。それで出来上がったのが今のKRUNKです。

 

根底にあるHIP HOPという文化への理解がこのキャラクターを作ったと。

最初にあった基本ビジュアルは、やはりHIP HOPを知らない人たちが作ったイメージで、オーバーサイズの服を着て入ればHIP HOPだろう、みたいな感じでした(笑)それでキャラクターデザインもそうですし、衣装なんかも一緒に考えました。

◾️ アートの次のかたちへ

今自分のやりたいことを叶えられて精力的に活動されているgrafflexさんですが、今後さらにやりたいことや野望はありますか?

昔は「夢」というのがはっきりしてたんですが、歳をとるにつれて少しずつそれが薄れていっているなという感じがします。実際、お金をたくさん稼ぐことも人生の目標ではないし。

最近思うのは、世界では”それは無価値だ”と思われるようなことがとても多いですよね。世界では無価値だと思われているようなものの中でも、自分にとって価値があるものは何なのか、それを探して出し、世の中や人に対してフィードバックしていくことが自分にとっては今一番大きい夢かなと思ってます。

 

それは有形無形問わず、ということですか?

そうですね、形の有無に問わずで大きな話として考えています。例えば今私はスニーカーが好きなので、スニーカーのデータベースのようなものを作っていたり、あとはアートももちろん好きですが、その方面でいうとアメリカや日本にいる素晴らしいアーティストたちを韓国に紹介していきたいと思っていて、そのためのサイトを準備しています。

 

本当に多方面で活動されていてすごいです。

昔はアートをやろうとすると、まず画材を探さなくてはいけないし、画材も赤い色が欲しければ赤い具材を、青い色が欲しければ青い具材を探して揃えなくてはいけなかったですよね。でも今では画材なんてどこへ行っても買えるし、手に入りやすくなった。絵を描こうと思えばだれでも描ける世界になった。そういった便利になった世の中で、WEBを通じてやっていることもその一つなんですが、人々にとって必要なものを”創っていく”ということ自体がアートになるんじゃないかと思っています。

Source:STREET MAG

 

【PROFILE】

グラフィックデザイナー、イラストレーター、アートディレクター。グラフィック、アートトイ、ブランドコラボなど多様な活動を行い、韓国のアートシーンを牽引するアーティスト。

2017. 11 ABSOLUT KOREA ‘ABSOLUT EQUALITY’ EXHIBITION.
2017. 10 HEAPS SKATEBOARD ‘EXIT’ ART COLLABORATION.
2017. 09 POW WOW KOREA EXHIBITOIN.
2017. 09 DUNKIN DONUTS ‘HONGDAE STORE’ ART DIRECTING.
2017. 08 JORDAN BRAND ‘JORDAN HONGDAE’ GRAPHIC DESIGN.
2017. 07 PERRIER ‘EXTRAORDINAIRE’ EXHIBITION.
2017. 05 BEXCO ‘ART BUSAN 2017’ EXHIBITION.
2017. 05 COEX ‘ART TOY CULTURE 2017’ EXHIBITION.
2017. 04 NESCAFE CREMA ‘PERFECT ENCOUNTER’ EXHIBITION.
2017. 04 LOTTE DUTY FREE ‘JOYFUL JOURNEY’ ARTIST COLLABORATION.
2017. 03 SEWING BOUNDARIES 2017 F/W COLLECTION. ART DIRECTING..
2017. 03 NIKE KOREA AIR MAX 30th ANNIVERSARY ‘KISS MY AIRS’ EXHIBITION.
2017. 01 LA CONVENTION CENTER ‘LA ART SHOW’ EXHIBITION.
2016. 12 LOTTE AVENUEL ARTHALL ‘BOLD FACTORY’ SOLO SHOW.
2016. 11 MIAMI SCOPE ART SHOW EXHIBITION.
2016. 10 RIMOWA ‘FOUR SEASONS’ ART COLLABORATION.
2016. 09 ART SOCAR PROJECT ‘STREET OASIS’ ART PROJECT..
2016. 03 LAPIZ SENSIBLE ‘PINTAR X GRAFFLEX’ ART COLLABORATION.
2016. 03 CONVERSE ‘REFLECTIVE CAMO’ EXHIBITION.
2015. 12 NEWERA X GRAFFLEX ART COLLABORATION.

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